相続制度が大きく変わる改正民法が成立しました。相続制度の見直しは約40年ぶりになります。改正された要点は次のとおりです。
<配偶者の居住権>
遺産分割協議後にも、配偶者が自宅に住み続ける権利「配偶者居住権」が新設されます。配偶者が亡くなるまで自宅に住み続けることが可能になります。これは、遺産分割で自宅の所有者が配偶者以外の方に移っても住む権利が保障されます。居住権は売買できないので、残された配偶者は安心です。
<遺産分割協議制度の見直し>
結婚20年以上の夫婦で、配偶者に生前贈与・遺贈された自宅は遺産分割から外れます。遺産分割の計算から除外されるので、配偶者が相続できる割合は、事実上増えます。また、遺産分割協議が成立する前でも、葬儀代や生活にかかる費用を被相続人(亡くなられた方)の預貯金口座から引き出すことが可能になります。葬儀費用等はまとまったお金が必要なので、この制度はいいですね。
<相続人以外の親族の権利>
相続権の無い親族(6親等以内の親族以内の血族と、3親等以内の配偶者子の配偶者など)の権利を認めた。介護などでの貢献を考慮して、相続人に対して金銭を請求できる制度も新設。
<遺言制度の改正>
遺言に関しては、自筆証書遺言(自筆で作成した遺言)を法務局で保管できる制度。法務局で基本的な形式の確認が行われるので、書式不備による遺言が無効になるケースはほとんど無くなると思われます。また、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続き(相続人が遺言書を家庭裁判所に持参して内容を確認する手続き)が必要でしたが、これも見直されるもようです。また、自筆証書遺言の財産目録をパソコンで作成することも可能になります。現行の自筆証書遺言は、全文、遺言者が自筆で作成することが条件でしたから、これで誤字脱字はある程度防げるように思います。
相続手続きや遺言書作成は、当事務所のような行政書士事務所では扱っていることが多く、今回の改正民法は興味深いものでした。施行日も6か月から2年以内(制度によって異なる)なので、身近な問題です。まだまだ勉強不足のところもありますが、これからこの制度をより理解したいと思います。
松浦行政書士事務所
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